コピーライター・かたつむり。

近所に設置された携帯電話の基地局(電波塔)を撤去させるには

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携帯電話の基地局(電波塔)は撤去させられる?

突然近所に携帯電話の基地局(電波塔)が設置され、撤去させたいという人は日本全国に多いようです。携帯電話の基地局はどうやったら近隣住民の反対で撤去させることができるのでしょうか?

まず、基地局の設置前に近所の住人の反対運動で設置を止めさせたという事例はけっこうあります。
しかし、基地局設置後は反対運動ではなかなか難しいようです。

近所に突然携帯電話の電波の基地局が設置されたら、おそらくほとんどの人は基地局を設置した携帯電話会社、ドコモやau(KDDI)やソフトバンクに抗議したりしようとするでしょう。しかし、それは無駄です。
署名を集めて抗議するとか、県や市の議員を動かして圧力をかけるとか、そんなことを考えてもおそらく無駄。それにはちゃんと理由があります。

ほとんどの人は「健康被害」などを理由に撤去させようとします。

しかし、携帯電話会社は基地局の電波の「健康被害」などを認めてしまえば、そこだけじゃなくすでに設置してある基地局を全部撤去しなきゃいけなくなるので、もし健康被害が本当にあるんだとわかったとしてもそれを認められないからです。

そういう事情があるから携帯電話会社は健康被害などは絶対に認めない。つまり基地局を撤去させたいならいくらドコモやソフトバンクなどの携帯会社を攻めても無駄だということです。

では設置されてしまった基地局を撤去させるにはどうすればいい?

じゃあすでに設置されてしまった基地局を撤去させるにはどうすればいいかというと
「土地やマンションの所有者を説得すること」です。

これで基地局設置後に撤去させた例はけっこうあります。というより、基地局設置後に撤去させた例を調べてみると携帯電話会社ではなく所有者を説得しているものばかりです。

ドコモやau(KDDI)やソフトバンクなど基地局を設置した携帯電話会社に文句を言えばしぶしぶ担当者を派遣してくるでしょう。 でも、その対応は良くありません。サラリーマンが上司におしつけられて出てくるだけ、おそらく社内では「めんどくせークレーマーがまた来たよ」と下っ端の社員に「お前行ってきて」という感じで、出てくる担当者は撤去の決定権のない下っ端でしょう。

担当者に何度も先延ばしされたり、相手も嫌々来ているので態度が悪くなり、それに気をとられてるうちに時間が経って消耗して住民達の熱意の火が消えていく。もし仮にその担当者を説得できたとして、その人は撤去を決める権利のある上司を説得できるでしょうか?携帯電話会社の罠みたいなものです。

だから携帯電話会社じゃなく土地や建物のオーナーに交渉するんです。
基地局は携帯電話会社の所有地ではなく誰かの土地にお金を払って設置します。その土地のオーナーさんが撤去すると言えば携帯電話会社は逆らうことができません。

まず、人がいいオーナーさんで電磁波の被害なんて全く知らず「まわりの人も電波がよくなって喜びますよ」なんて携帯電話会社に説得されて善意の気持ちで設置したなら、オーナーさんを説得すれば撤去させることは可能です。

しかし、それはうまくいったケース。なかなかそうはいかないし、難しいのはすでに設置済みの場合オーナーさんはけっこうな金額をもらっていること。年間100万円以上、長期で契約するから5年契約なら500万円以上、10年契約なら1000万円以上もらっているからなかなか手放したくない。

本当は例えば1000万円もらっても税金で半分持って行かれるから実際の利益はその半分くらい。ビル自体が傷んだりで資産価値も下がるし、賃貸物件であからさまな基地局だと内覧に来て心理的に嫌で契約を辞める人も出てくるるからそんなに大きな得ではないんですけどね。それでも一度もらったお金、オーナーの人柄によりますが、設置することによってそれ以上の損害が発生しなければなかなか手放せないものです。

例えば住人が住むのをやめて空室が増えたり、まわりの住人がSNSなどで騒いで「このままだと会社の信用がガタ落ちになりそう」だったりとかね。

まずは土地や建物のオーナーさんもドコモに電磁波の健康被害のことは何も知らされずに設置してしまった良い人かもしれないので「敵」ではなく「仲間」として話をしてみる。「電波が入るようになって近所の人も喜びますよ」とだけ言われて設置したのかもしれないですからね。

土地や建物の所有者が「まわりの住人なんかよりお金のほうが大」事という人だったら、人を集めてまわりで騒いで潰すしかないでしょう。

今はSNSなどでローカルな情報も日本中に拡散しやすい時代。悪は世間に晒して潰すしかないです。

ただ、くれぐれも戦う相手を間違えないように。ドコモやau(KDDI)やソフトバンクではなく土地や建物の所有者と戦う(戦う前にまわりへの健康被害についての知識を共有する、良い人ならそれだけで解決することも)

携帯の基地局(電波塔)は国の基準に沿って作っているので法律違反もしていない。だから訴えるとかしても無駄です。

電磁波の「健康被害」では相手にされない

最初のほうでも書きましたが、携帯の基地局設置に反対する人は電磁波の健康被害を理由にすることが多いです。いかに電磁波が体に悪いのか、国が定めた数値では基準値が高すぎる、などです。

それが真実かどうかは置いておいて、それらは目に見えないものだしすぐに影響が出るものでもないから相手にされないことが多いです。

仮に国の定めた電磁波の安全の基準値が本当に「安全だというには高すぎた」んだとします。
そうだとしても国も基準を変えて携帯電話会社に「基準に合わなくなるから撤去してね」なんてことは言えないです。その費用どうすんの?と国と携帯電話会社の責任の押し付け合いになるし、国の基準値が「本当に」大丈夫なら(一時的には大丈夫じゃなく、例えば設置されたマンション自体やすぐ近くに長年住んでても大丈夫なら)いいんだけど、そこまで基準を厳しく定めたら携帯を普及させられないですからね。いろんな利権のからみとかもあっておそらく大臣クラスでもなかなか基準は変えられないでしょう。

だから、いくら署名を集めたりして抗議したり文句を言っても携帯電話会社を相手にやっていては無駄になります。法律上は悪くない、電磁波による健康被害は法律上は認められていないし何らかの影響が出ても因果関係が証明できないし国の基準値を守っている限り責任追及もできないです。

だから、土地や建物のオーナーを説得する。電磁波の健康被害で響かないなら「景観を損ねる」とか「心理的瑕疵」とか、そういった違う攻め方で説得する。

相手の価値観もあるので一辺倒に「健康被害」を押し付けるのではなく、相手に合わせて攻め方を変えてとにかく説得できるように持って行く。これがすでに設置されてしまった携帯電話の基地局(電波塔)を撤去させるためには必要です。