子育ては「子どもを育てる」ことではなく「子どもとともに生きる」こと

48歳女性、現在小5・中2の男の子を育児中。シングルマザー歴10年。

「子どもが言うことをきいてくれない」「叱り過ぎる自分に自己嫌悪を感じる」というような、目の前だけの事象や不安につまづいてしまっている人たちにぜひ読んでほしい本です。

2児のシングルマザーになった不安で子どもにも優しくなれなかった

下の子がまだ2歳だった時に離婚し、2児のシングルマザーになりました。初めは経済的にも社会的にも不安がいっぱいで、でもその不安をできるだけ子どもに見せないように頑張るのが精一杯の毎日。こちらが精神的にも身体的にもギリギリの状態の時に、子ども達がトラブルを起こしたり体調を崩したりすると、本当に泣きたくなり、助けを求める子どもに対してすら優しくなれない状態が続きました。

そんなとき、古くからの友人で同じ年頃を持つ子育て中の女友達から「子どもへのまなざし」を紹介されました。

紹介と言っても「今これ読んでるんだけど、読むとすごく落ち着くんだ」という感想を聞かされただけでしたが、その言葉を聞くやいなや「私も読もう!」という気持ちになりました。読んでみて、巷にあふれる「こうすれば子育ては楽になる!」のような安易な育児指南書とはまったく違い、「子どもと共に生きる」ための本質的なヒントにあふれた本だと感動しました。

もう一冊の「子どもの物語」はノーベル文学賞候補にも名が挙がるハントケの作品ですが、ドイツ文学を専攻する知人に紹介され読んだものです。

こちらはれっきとした小説で、育児書でも何でもないのですが、シングルファーザーが小さな娘と世界を放浪しながら、子どもを見つめ時には本気で対立しつつともに生きていく、自伝的な物語です。

子どもと向き合うというのは、ご飯を食べさせてお風呂に入れて、しつけをして、勉強させて、ガミガミ言って・・・ということじゃないんだ、こういう子育てもあるんだ、ということを改めて考えさせられた、「目からウロコ」の作品でした。

子育ては「子どもを育てる」ことではなく「子どもとともに生きる」こと

日々の小さい悩みは確かにたくさんあるけれど、そればかりに捕らわれていては全体を見失います。子育ては「子どもを育てる」ことではなく「子どもとともに生きる」ことなんだということを、1年に何度かは思い出す必要があると思います。

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