つい、子供の「できてないこと」ばかり注意していませんか?
この記事では、叱るだけの子育てがもたらすデメリットと、子供の可能性を引き出すための改善方法をお伝えします。子供の心を育み親子関係を深める「褒める子育て」の秘訣についてもお話します。
今日から実践できる具体的な方法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
できてないと注意、できたときはスルー
子供がやらないといけないことをしていなかったときに注意したり、間違った行動をしたときに叱ることは親として避けられないものです。
でも、ちょっと振り返ってみてください。できていないことは注意するのに、できたことを褒めるのを忘れていませんか?
例えば・・・
「宿題やったの?」
(宿題をやっていたら)「明日の準備したの?」
「ちゃんと片付けなさい」
(半分片付けたら)「まだ終わってないの?」
(片付け終わったら)「宿題は終わったの?」
この対応は、無意識に行っている親御さんが多いものです。しかし、「叱るだけの子育て」が続くと、子供の心に思わぬ影響を与えてしまうことをご存知でしょうか?
叱るだけの子育てが与える3つのデメリット

親として子供を叱るのは、ルールを教えたり、正しい行動を学ばせたりするために大切なことです。しかし、「叱る」だけに偏ってしまうと、子供に次のようなデメリットをもたらす可能性があります。
1. 自己肯定感の低下
叱られる機会ばかりが増えると、子供は「自分はダメな人間だ」と感じやすくなります。特に、良い行動が褒められない場合、子供は「何をしても親には認めてもらえない」と思い込み、自己肯定感が低下する原因になります。
2. 親子関係の悪化
注意や叱責ばかりが目立つと、子供にとって親は「自分を否定する人」として認識されてしまいます。このような状況では、親子の信頼関係が希薄になり、相談や会話を避けるようになる場合もあります。
3. 挑戦する意欲の喪失
褒められる経験が少ないと、子供は「努力しても認められない」と考えるようになります。その結果、新しいことに挑戦する意欲や、失敗を乗り越えようとする気持ちが育ちにくくなります。
3つのデメリットを挙げましたが、実はこれらが繰り返される連鎖を起こす最大のデメリットがあります。
「いつまでも叱り続けることになる」という最大のデメリット

「何回も注意しているのにやめない」「何度叱られても同じことを繰り返す」ということに悩んでいませんか?
この場合、親から注目されたくて無意識に叱られる行動を取ってしまうという可能性があります。
今はそういうお子さんが意外と多いんです。本人はそんなつもりは全くなく、むしろ叱られたくなんかないんだけど、ふと不安を感じたときに注目されたくて無意識にそういう行動をしてしまうんです。
その場合、叱られれば叱られるほどその行動を取りがちになってしまいます。
この場合、本人の意識としては叱られたくなんかないので、本人も止めることができません。
でも、ここに褒めるという行動が入ってくると、注目されたくてとる行動が叱られる行動ではなく褒められる行動に変わってきます。
そうなるとすごく楽になりますよね。子供との関係も良くなり、そうなってくると愛情不足も徐々に解消していきます。
日常でありがちな「叱るだけ」のシーンと改善例
叱るだけの対応を続けてしまうのは、決して特別な状況ではありません。忙しい日々の中で、つい叱ることに重きを置いてしまうのは多くの親に共通する悩みです。ここでは、よくあるシーンと改善のポイントを具体的にご紹介します。
例1:宿題を忘れたとき
- 叱るだけの場合
「どうしてまた宿題を忘れるの!ちゃんとやりなさい!」と、ミスを責めるだけで終わる。 - 改善例
「どうして忘れちゃったのかな?」「次はどんな工夫をしたら忘れないと思う?」と理由を一緒に考える。さらに、計画的に取り組めた日には「今日はしっかり宿題できて偉かったね!」と具体的に褒める。
例2:おもちゃを片付けないとき
- 叱るだけの場合
「早く片付けなさい!いつも散らかしっぱなしにして!」と強い口調で注意する。 - 改善例
片付けができた日には、「おもちゃを片付けてくれたおかげで、部屋がスッキリしたよ!ありがとう」と感謝を伝える。片付けが苦手な場合は、「どれを片付ける?」と部分的な指示から始め、成功体験を積ませる。
例3:食事中にふざけるとき
- 叱るだけの場合
「食事中にふざけるのはやめなさい!」「いい加減にしなさい!」と怒る。 - 改善例
ふざけずに食事ができた日には、「今日は静かにご飯を食べられて立派だったね!」と良い点を褒める。具体的に伝えることで、子供が「次も頑張ろう」と思えるようになる。
これらの例を参考に、叱るだけではなく、子供の良い行動を認めて褒めることを意識してみましょう。
今日から始める「褒める習慣」のコツ

叱るだけの子育てから脱却し、子供の成長をサポートするために、今日から取り入れられる「褒める習慣」のコツを3つご紹介します。
1. 小さな成功を見逃さない
子供の行動を観察し、「当たり前」と思えるような小さな成功も積極的に認めましょう。たとえば、自分から靴を揃えたときや、忘れずに準備ができたときなど、日常の些細な場面がチャンスです。「〇〇ができて偉いね!」とその場で褒めることが大切です。
2. 褒め方は具体的に
ただ「すごいね!」「えらいね!」と言うだけではなく、具体的に何が良かったのかを伝えましょう。「今日の算数のプリント、最後まで丁寧に頑張ったね」など、具体的に褒めることで、子供は自分の良い行動を認識しやすくなります。
3. 叱ると褒めるのバランスを意識する
叱るときも、ただ否定するのではなく、「どうすれば次はうまくできるか」にフォーカスして話しましょう。そして、改善が見られたらすかさず褒める。この「叱る」と「褒める」のバランスが、子供の自己肯定感を支える重要なポイントです。
あなたならどんなふうに改善しますか?
冒頭の例をどう改善するか考えてみましょう。
「宿題やったの?」
(宿題をやっていたら)「明日の準備したの?」
「ちゃんと片付けなさい」
(半分片付けたら)「まだ終わってないの?」
(片付け終わったら)「宿題は終わったの?」
ちょっと一言加えるだけでだいぶ印象が変わります。
「宿題やったの?」
(宿題をやっていたら)「ちゃんと終わらせたんだね。明日の準備はできた?」
「ちゃんと片付けなさい」
(半分片付けたら)「ここまで片付いたね、もう少し頑張ろう」
(片付け終わったら)「きれいに片付いたね。宿題は終わった?」
褒めるといっても、「わーすごい!」みたいな過剰なリアクションで褒める必要はなく、できたことやったことをちゃんと認識してあげるだけで全然違います。
叱るは行動を止めるブレーキのコミュニケーション
「叱る」は子どもの行動を止めるブレーキのコミュニケーション。「褒める」は子どもの行動を伸ばすアクセルのコミュニケーション。
止められてばかりだとどうしても嫌になってしまうものです。
日常生活に「褒める習慣」を取り入れるだけで、親子のコミュニケーションが変わり、子供の成長を大きく後押しします。
さっそく今日から始めてみませんか?